子持ち花
「子持ち花咲いたな。」
夏に亡くなった婆ちゃんが、長男を出産後の私にそう言ってくれたのを覚えています。
子どもを抱いた私の顔は、それはそれは美しく花が咲いた様だと。
その言葉がとても嬉しくて、溢れてきた涙をこっそり拭いたのを覚えています。
始めて経験する子どもとの生活は正直辛い事も多くて。
二人だけのアパートの部屋で、どうしていいかもわからずに泣き声に追われひたすら抱っこ。
ゆっくり寝ることも出来ない。
可愛いけれど可愛いだけでは済まされない大変さ。
初めての子育てを始めた私には、いつ終わるのかも想像できなくて。
そんな時に言われた言葉。
私は既に花開いている。
そして、それはとてもとても美しい花。
子育てはきっと一生終わらない。
子ども達が大人になり親になっても、この子達を想わない日はないだろう。
「子持ち花」今日も咲かせよう。
穏やかで優しい顔の婆ちゃんや母の様に。
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